2017.4.4

「夜叉」「鉄道員(ぽっぽや)」など、高倉健さんをはじめ、時代を代表する映画俳優を撮り続けた日本映画界の黄金コンビ、降旗康男監督と木村大作キャメラマン。映画界の"レジェンド"と呼ばれる二人が主演に岡田准一さんを迎え、映画「追憶」で新たな歴史を刻もうとしています。 本作の完成を記念し、4月4日、東京国際フォーラムにて完成披露会見と舞台挨拶を開催しました。"レジェンド"の二人が九年ぶりにタッグを組んで挑んだ16作品目となる本作は、脚本家・青島武さんと降旗監督による完全オリジナルストーリーのヒューマンサスペンス。一つの殺人事件をきっかけに、刑事、容疑者、被害者として再会を果たした幼馴染の三人の人生が再び交錯し、運命の歯車が回りはじめます。共演には、小栗旬さん、柄本佑さん、長澤まさみさん、木村文乃さん、安藤サクラさん、吉岡秀隆さんなど日本を代表する豪華俳優陣が集結。 二部にわたるイベントでは、オファーをもらったときの想いや撮影秘話などをオールキャストが登壇し語り合いました。舞台挨拶では、満開の桜の木をバックにトーク&フォトセッション。共演陣の仲の良さ、現場のあたたかさが伝わってきたイベントの模様をご紹介します。

岡田准一さん(四方篤役)
名監督である降旗監督と名キャメラマンである木村大作さんとご一緒できて、どう向き合っていけるのかを考え悩んだ作品です。人の心を映し、人の心に染み込んでいく映画が完成したと思っています。そこに僕が参加できた喜びを噛みしめている最中です。
小栗旬さん(田所啓太役)
この素敵な出演者の皆さんと"レジェンド"と呼ばれるお二人に囲まれながらつくりました。できあがったものを観たときの余韻がすごくいい映画だったので、それを皆さんに楽しんでもらえたらと思います。
柄本佑さん(川端悟役)
僕自身、降旗監督と木村大作さんとご一緒できる現場を体験できるなんて思ってもみなかったので、できあがった映画を観たときにすごく感動しました。映画館で観るべき映画になっています。
長澤まさみさん(四方美那子役)
この映画に参加できてとても勉強になりましたし、貴重な経験をさせてもらいました。愛や想いがたくさんつまった映画です。ぜひ映画館で観てもらいたいと思います。
木村文乃さん(田所真理役)
このような素敵な映画に参加できてとても光栄です。幸せであたたかかった撮影の期間のことを皆さんにお話できるとことを、幸せだなと思っています。
安藤サクラさん(仁科涼子役)
現場では、すごく貴重な時間を過ごしているなと思っていました。その時間とそのとき見たものは、私の大事な宝物になりました。
吉岡秀隆さん(山形光男役)
素敵な映画が完成したことをうれしく思います。そして尊敬する岡田くんや、いつか一緒にお芝居ができたらいいなと思っていた小栗くんと共演できたことをうれしく思います。
木村大作さん(撮影)
共演者の皆さんとご飯を毎日食べました。評判が悪い僕でも少しは評判が良くなったと思っています(笑)。取材陣の皆さん、もう少しこの映画の記事を大きくしてください(笑)。
降旗康男監督
この映画は、若い人たちの元気がつまっています。それに感謝して、取材陣の皆さまにはこの映画に興味をもってもらえるような記事を書いてもらいたいとお願いします(笑)。
MC:
降旗監督、木村大作キャメラマン、お二人のコンビ作品は九年ぶりだと聞きました。久しぶりに一緒に仕事をしたときのお気持ち、「追憶」にかける想いについてお聞かせください。
木村大作さん
降旗さんと九年ぶりだという感じは全然ありません。この映画の話をもらったときに、監督は降旗さんでなければ断っていましたし、主演が岡田准一さんだと聞いて、この映画に加わることにしました。これは個人的な想いですが、降旗さんと僕が長年コンビを組んで仕事をした高倉健さんへの想いを込めて、この映画で映像に表現しようと思いました。
降旗監督:
九年という年月は長いようで、僕たち二人にとっては短く感じます。気持ちとしては、岡田准一さんに高倉健を継ぐ俳優になってもらえたらいいなと思いながら仕事をしていました。
MC:
岡田さん、降旗監督と木村大作キャメラマンという"レジェンド"と呼ばれるお二人から「追憶」のオファーがきたときは、どのような気持ちでしたか?
岡田さん
ここに並んでいる俳優の皆さん全員が同じ気持ちだと思いますが、お二人に呼んでもらえるのはすごく光栄です。お二人に会えるだけで幸せなので、断る理由はないという気持ちでした。
MC:
岡田さん、小栗さん、柄本さんにお聞きします。一カ月間、富山県と石川県を中心に撮影が行われましたが、"レジェンド"と呼ばれるお二人ならではの現場のエピソードはありましたか?
岡田さん
何がいいですかね。
小栗さん
たくさんありますね。
柄本さん
ラーメン屋での話をします。大作さんは大きな声を出す方なのですが、役者さんだけではなくエキストラとして来ている方にも"げき"が飛びます。ラーメンを食べる役のエキストラの方に「お前ら、笑顔でラーメンを食べろ!」「ラーメンは笑顔で食べるものだろ!」って言っていました。僕はそれを近くで聞いていたのですが「そうかな? 食べ方は人それぞれだよな」と思いました。現場には活気がありました(笑)。
岡田さん
熱い大作さんと仏の降旗さんです。両極端の哲学者のお二人の現場は、とても奥の深い現場でした(笑)。
MC:
岡田さんと小栗さんは12年ぶりの共演ですが、映画での共演は初めてということで、いかがでしたか?
小栗さん
とても楽しかったです。
岡田さん
僕も楽しかったです。
小栗さん
大作さんが、出演者が一緒にいる時間をたくさんつくってくれました。そして頼もしい主役(岡田准一)がプレッシャーのなか立ってくれているので、僕らはその周りではしゃぐという感じでした。
MC:
長澤さんは岡田さんと、木村さんは小栗さんと、それぞれ夫婦役を演じられていかがでしたか?
長澤さん
岡田さんは誰よりもこの映画のことを考えていて、誰よりも優しくて強くて「神様みたいな人だな」と現場でいつも思っていました。
岡田さん
神様って言われた(笑)。ありがとうございます。
長澤さん
岡田さんを先輩として尊敬します。小栗さんとは何度も共演していますが、先輩たちはいつも2、3歩前を歩いてくれていて、それを一生懸命追いかけてがんばりたいと思わせてくれます。そのような先輩に囲まれていることに感謝しています。
木村文乃さん
小栗さんとは初共演でした。数年前、小栗さんに「いつか共演できるようになったらいいね。」と言ってもらいましたが、まさかこんなに早く共演できるとは思っていませんでした。ある日撮影が終わった後、「みんなでご飯に行こうよ」と小栗さんが誘ってくれました。普段ご一緒できない人たちとの食事で、貴重な経験ができました。
MC:
小栗さんは木村さんと共演されていかがでしたか?
小栗さん
恥ずかしかったです。木村さんはすごく身近な存在だったので、まさか夫婦になって木村さんのお腹に手をおくとは思いませんでした。
MC:
降旗監督から、安藤さんが演じる涼子の存在は三人の男にとって"ミューズ"であり、その"ミューズ"に安藤さんはぴったりだったとお聞きしました。涼子の役作りで特に意識していたことは何かありますか?
安藤さん
この涼子という役を演じることには不安がたくさんありました。悪あがきだと思いながらも、子供たち三人を呼んで、四人でサッカーをしたり鬼ごっこしたり、丸一日ひたすら遊んでみました。
MC:
吉岡さんは出演者の方々のなかで唯一、降旗監督と木村大作キャメラマンの作品に参加されたことがあります。それは1999年公開の「鉄道員(ぽっぽや)」です。そこから18年経ちますが、再会されてお二人の現場はいかがでしたか?
吉岡さん
18年前と変わりません。お二人の信頼しあっている感じに包まれてお芝居ができました。
MC:
映画「追憶」の宣伝キャッチコピー「会いたくても会えなかった愛する人へ」にかけまして、皆さんの会いたくても会えない人を教えてください。
岡田さん
憧れているのは、コナー・マクレガーさんです。誰も知らないですよね? アイルランドの格闘家です。会ってみたいです。
小栗さん
会いたくても会えなかった先輩たちは、たくさんいます。高倉健さんにもお会いしたことがないので、お会いしたかったです。
柄本さん
尊敬する俳優の小林桂樹さんにお会いしたかったです。
長澤さん
エッセーを読むのが好きなので、高峰秀子さんにお会いしたかったです。
木村文乃さん
実は一度お会いしたことがあるのですが、漫画家の田村由美さんに再び勇気をもって、胸をはってお会いできたらいいなと思っています。
安藤さん
会ったこともなければ誰かもわからない人が夢に出てくるんですね。その人がずっと女性だと思っていたのですが、今日男性だと分かりました。その人に会いたいです(笑)。
吉岡さん
富山でロケをしていたとき、木村大作さんが小栗くんに「漫画の主人公演じたよね?」と聞いたのですが、小栗くんは「ルパン三世」と言うのかなと思っていたら「ポパイ」と言いました。それがものすごくおかしかったので、僕は「ポパイ」を演じる小栗旬くんに会いたいです(笑)
小栗さん
ぜひオファーをください(笑)。
MC:
ここからはマスコミの方からの質疑応答に入らせてもらいます。
Q:
木村大作キャメラマンにお聞きします。高倉健さんをはじめ、名俳優と呼ばれる方をずっと撮られていますが、今回の映画の中核をなす三人(岡田さん、小栗さん、柄本さん)は木村さん(キャメラマン)のフレームの中にはどのように映っていましたか?
木村大作さん
その質問は難しいですね。僕の頭の中は今でも高倉健さんで覆われていますので、彼と三人を比較して撮っていました。
Q:
降旗監督と木村大作キャメラマンにお聞きします。岡田さんに高倉健さんと通じる部分はどういうところでしたか? 岡田さんにその答えに対しての感想をお願いします。
降旗監督:
斜め後ろからの姿ですね。背は高倉健さんの方が高いのですが、一人の人間の姿として同じような人生を背負って生きているというような感じです。
木村大作さん
斜め45度です(笑)。 高倉健さんの後ろ姿には、人生のすべてを感じます。それと同じようなものを岡田さんにも感じているということですかね。
岡田さん
僕にとって高倉健さんは特別な存在です。僕なりに高倉健さんとの思い出もあります。唯一無二の方ですので、僕が高倉健さんになれるとは思っていないですし、比べてもらうのも恐縮してしまいます。僕にとってすごく大きな方ですので、高倉健さんの背中を追いかけて精進していけたらいいなと思います。

【舞台挨拶】

岡田准一さん(四方篤役)
桜の季節に、皆さんとお花見をしているような気持ちで、映画の完成を報告できることをうれしく思います。映画業界で"レジェンド"と呼ばれる監督さんとキャメラマンさんと何度も向き合いながら、たくさんのことを学んだ映画になりました。心に染みていく映画になっていますので、皆さんに心に染みる体験をしてもらい、いろいろな人に勧めてもらえればと思います。
小栗旬さん(田所啓太役)
できあがった映画を観て、僕にも観終わった後の余韻が染み込んできて、しばらくこの余韻の中で過ごしていたいなと思える映画でしたので、それを感じていただけたらうれしいなと思います。
柄本佑さん(川端悟役)
これから皆さんに「追憶」を観ていただくと思いますが、映画館で詩的な映像を楽しんでもらえると思います。
長澤まさみさん(四方美那子役)
この映画に参加できたことを光栄に思います。いい映画づくりをがんばらなくてはと思える素敵な現場でした。ぜひ楽しんで観てください。
木村文乃さん(田所真理役)
この作品に関われたこと、皆さんとご一緒させてもらったことは、私の中でとても貴重な経験であり、幸せであたたかい時間でした。そのことを皆さんと共有できたら楽しいなと思っています。皆さん、これから「追憶」をご覧になって映画館を出るときに、今まで許せなかった自分と向き合えるのではないかと思います。
安藤サクラさん(仁科涼子役)
私が到底関わることがないだろうと思っていた、降旗監督や木村大作さんの世界の中に今こうして立っていることに感動しております。
吉岡秀隆さん(山形光男役)
こうして舞台に立っていることをうれしく思います。この映画が生まれたことをうれしく思うと同時に、木村キャメラマンと髪型がかぶったことを光栄に思います(笑)。
木村大作さん(撮影)
若い世代の方が完成披露に来てくれていることに驚きました。女性が多いことにも驚いています。ただ皆さんは責任が重いですよ。試写会をすることは少ないので、皆さんにはこの映画を観た後、宣言活動をよろしくお願いします。
降旗康男監督
僕はここに並んでいる若い出演者たちとこの映画をつくって、その若い元気をいただきました。これから「追憶」を観る皆さんは、この映画から元気をもらって世の中に伝えてください。
MC:
岡田さん、小栗さん、柄本さん、今回"レジェンド"のお二人のお仕事のオファーを受けてどう思われましたか?
岡田さん
一緒に仕事をさせてもらえるだけで幸せでしたし、かけがえのない時間だと思って臨みました。よく三人でホテルのサウナで反省会をしていたのですが、「降旗監督と木村大作キャメラマンと一緒に仕事をさせてもらうことは幸せだよね」と話をしていました。
小栗さん
実際に現場に入って「追憶」を撮っているなかで、いろいろな人から「どんな現場なの?」と聞かれたのですが、それを体験として人に話せるだけでも財産だなと思って過ごしました。
柄本さん
最初にオファーをもらったときは、「降旗監督が僕のこと知っているのか!」と思いました。まさか一緒にお仕事ができる方だと思っていないので驚きました。こんなに貴重な現場が体験できるのであれば断る理由はありません。
MC:
岡田さんと小栗さんは、12年ぶりの共演ですが、映画での共演は初めてですよね?
小栗さん
はい。僕はすごくうれしかったです。12年前に会ったときもいろいろな話を聞いていたのですが、今も太くなっている先輩の姿を見て...。
岡田さん
それは見た目の話だな(笑)。
小栗さん
精神です。
岡田さん
お互いに主演をやることが多くなって会うことが少ないなかで、降旗監督と大作さんとご一緒する仕事で小栗さんに会えたことが幸せです。
MC:
女性陣の皆さんは、撮影の現場はいかがでしたか?
長澤さん
私が演じた役は岡田さんの奥さん役なのですが、傾いている関係性から家族になっていく様を表現することは、すごく難しかったです。私自身、経験がありませんでした。けれど現場はどんなシーンでも一発本番のような感じです。自信がないなかで、降旗監督と大作さんが「同じ土俵だよ」と言ってくれて、すごく愛を感じてうれしかったです。「かかってこい、受け入れてやるぞ!」と言ってもらえた気がして、いい経験をさせてもらいました。
木村文乃さん
現場に入ったとき大作さんに「僕も木村だし、お前も木村だし、ややこしいな。ふみちゃん!」と言われました。大作さんが撮影の間ずっと私のことを「ふみちゃん」と呼んでくださったことが、とてもいい思い出です。
安藤さん
世代を超えて監督と大作さんと共演者の男性陣がお酒を飲みながら、ものすごく楽しそうに映画の話をしているところを見たことが印象的です。監督やスタッフ、俳優さんたちが世代を超えて盛り上がっていることがうらやましかったです。
MC:
吉岡さんは、降旗監督と木村大作キャメラマンと一緒に映画「鉄道員(ぽっぽや)」をつくった唯一のキャストですが、この現場を体験することでどんな感想をもちましたか?
吉岡さん
お二人とも何も変わっていませんでした。強いて言うなら現場に尊敬する高倉健さんがいなくて、代わりに尊敬する岡田くんがいたことです!
MC:
降旗監督、俳優の方々の印象はいかがでしたか?
降旗監督:
たくさんの元気を僕に与えてくれました。その元気というのは、映画をつくっているときの元気です。これから皆さんにも「追憶」を観てもらい、その元気をもらってくれたらありがたいなと思います。
MC:
岡田さん、この映画の現場での印象的なエピソードは何かありますか?
岡田さん
降旗監督と大作さんが"あうんの呼吸"で過ごしていたことが印象的です。あまり会話はしないのに、心が通じ合っているようなときはすごく美しいです。映画に対する想いをその場にいるだけで教えてもらえるような時間だったと思います。
MC:
この映画は、岡田さんにとってどのような作品になりましたか?
岡田さん
ここに並んでいる俳優の皆さん全員が、降旗監督と大作キャメラマンにラブレターを送っているように二人に向かってお芝居をしていました。「人が映画をつくっている、人が映画を観てくれる」ということを改めて感じる映画です。日本映画を感じた現場でした。
MC:
最後に岡田准一さんに、これから映画をご覧になる皆さんにご挨拶をお願いします。
岡田さん
「追憶」は、時間が過ぎていきながら許されていく様が味わえる映画になっています。木村大作さんが撮られた詩的な映像、そして降旗監督のすばらしい演出を体験してもらえたらうれしいと思います。じっくりご覧ください。